BUBBLY

ストリートパフォーマーが路上に設置している投げ銭入れをハックした作品です。観衆がコインを投げ入れると、パフォーマンスをしているアーティストに代わって、感謝の印としてシャボン玉を吹き出します。コインを渡して去るという投げ銭の体験にちょっとのインタラクティブ性とインセンティブを与え、行為そのものを楽しくする装置です。

Role
プロジェクトリード
プロダクトデザイン
電子回路設計
機構設計
Client
Private Project
Date
2015/11-2016/3
Award
2015.12 JPHacks 東京大学産学連携賞
2016.3 SXSW TradeShow出展
2016.5 早稲田大学アプリケーションコンテスト最優秀賞
film by Masaki Ueda

背景

ストリートパフォーマーはどこの国を歩いていても見かけますが、日本のそれは、他の国を旅行した時と比べて少し様相が異なる、と思ったのがプロジェクトの始まりでした。

欧米を旅行すると、観光地で真昼間からパフォーマンスを繰り広げている人たちがたくさんいて、総じてレベルも高く、明らかにそれで食べていけているような印象を受けます。一方で日本では、仕事帰りの時間になるとポツポツとアーティストが出てくるくらいで、観客もまばら、というケースが目立ちます。

実際にパフォーマンスをして世界を巡ったことのある人に話を聞くと、海外でパフォーマンスをするのと、日本でパフォーマンスするのとでは収入に明らかな違いがあるようで、チップを渡すことに対するイメージや、気恥ずかしさがそうさせているのかも、という話でした。

チップからの収入がきっかけで、パフォーマンスで生活できる人が増え、レベルが底上げされて行ったら面白いのではないかと思い、もう少しこのテーマを掘り下げてみることにしました。

そんな中でヒントをもらえたのが、公園で、あるパフォーマンさんがラジコンを使ってチップを回収している様子でした。

小さなレクリエーションが入っているために子供でも参加しやすく、何よりお金の持つ「いやらしさ」が払拭されていると感じました。

プロトタイピング

ヒントをもらったところで、ストリートライブに詳しい知人を巻き込みながらプロトタイプを作って検証するプロセスを回して行きました

Version01
ストリートでのシャボンの見え方を検証するために既製品を改造してスマホから制御できるようにしたもの。チップに反応する仕様などは削ぎ落として検証した。
Version02
チップのセンサーを追加するため、自分たちで1から筐体を組み上げたもの。シャボンを発生させる機構の精度が不十分で、シャボンを入れるタンクも小さく、5分程度しか稼働しなかった
Version03
Version03の反省から、シャボン機構の構造を大きく変えて横方向から発射するようにしたもの。これにより30分ほど連続稼働するようになり、かつ、チップのセンシングも正確に行えるようになったため、ようやく実戦投入できるレベルのものが出来上がった。
Version04
自分たちの手を離れて誰でも操作できるようにするために、アプリによる遠隔制御機能を追加した。InstagramやTwitterのタグに連動して動かせるようにするなど、ソフトウェア側と連携できる余白が生まれた。

Depth Interview

Version03まで作り、少しづつ実戦投入できるようになっていったところで、プロのストリートアーティストの方にお話を伺う機会ができ、インタビューをさせていただきました。現場の目線でないとわからないことが多く、得られたインサイトを元に、Version4で改善を加えました。

インタビューで得られたインサイト
パフォーマンスが合法な場所でも1時間以上やってると必ず介入が入ってくるので、3-40分くらいで場所を移動する
👉 持ち運びしやすいように筐体の部品を少なくし、サイズも一回り小さく改善。バッテリーの持ちも2倍近く改善した。
演奏系のパフォーマンスは基本「喋り」が入らないので、「BUBBLYにチップを入れてね」とは誘導しづらい。演奏中も自由に喋れるシンガーやパントマイマーと相性がいいかもしれない
チップ入れを演奏者の真正面に置くと、観衆の人目についてお金を入れづらいので、めいっぱい遠くの方にチップ入れを置くと収入が上がる

BUBBLY on the Street

多くのアーティストに触って使ってもらう中で改善と小さなアップデートを繰り返していきました

プラハの旧時計台広場で地元のパイプ奏者グループと
ダブリンの市街地でヨーロッパ中を演奏して巡っているシンガーと
原宿の公園で知人のパントマイマと
シンガーソングライターのSETAさんと

BUBBLY on SXSW

毎年3月にアメリカのテキサスで開催される音楽とテクノロジーの祭典、SXSWで展示する機会がありました。

より多くのアーティストとコラボするために、演奏を控えているアーティストが自由に演奏できる場として自分たちのブースを提供しました。

Related Works

Password Required
City and Dots website
2017
フロントエンド
Password Required
BUBBLY
2016
プロダクトデザイン、回路設計、機構設計、プロジェクトリード
Password Required
Daily UI
2019
UIデザイン
Password Required
Framer Cheat Sheet
2020
UIデザイン
Password Required
TalkStay
2020
エスノグラフィックリサーチ、UI/UXデザイン






Keep in touch ! 🙌

Thank you! Your submission has been received!
Oops! Something went wrong while submitting the form.